株式会社有鄰の人事評価制度と給与の考え方 Evaluation

会社やお店は、一つのチームです。
チームには、「みんなでこれを大事にしよう」というルールがとても大切。

そのルールがあることで、チームがまとまって、お客さんにもスタッフにもいい影響を与えられます。

そこで、人事評価制度を中心に、有鄰のルールとして定めた、うちの会社で働く人は誰でも大事にしてほしいポイントをご紹介します。

これらは、社内のスタッフにも全て共有して伝えていることです。

私たちがそもそも、とても大事にしたいこと

この二点は、全てのスタッフに共通してとても大事なことだと思っています。

・にこにこしていること
・謙虚であること

「にこにこしている」ということは一つの才能でもあり、チーム全体が良いパフォーマンスを発揮するために大事な要素でもあると考えます。

また、「謙虚である」というのも、全ての学びや働く姿勢の原動力になることで、とても大事なことです。

私たちの人事評価制度のしくみ

人事評価制度というのは何のためにあるかというと、「ちゃんと頑張っている人がきちんと報われるため、馬鹿を見ないようにするため」だと思っています。

それと同時に、自分が大きな会社で勤めていた経験も踏まえて言えば、日本の多くの会社の人事評価制度がうまく機能していないとも考えています。

そのため、この人事評価制度については自分なりに時間をかけていろんなことを考えた結果、ゼロからオリジナルで作り上げたものになっています。

これが完全に正しいかはまだ分かりませんし、今後の運用の中で調整していく部分もあるかもしれませんが、現時点ではこれがベストと思ってやっているものです。

私たちの人事評価制度、三つのパート

私たちの人事評価制度は大きく分けて三つのパートに分かれています。

  1. 業務習熟度
  2. 能力・資質
  3. 成果

一つ目の「業務習熟度」は、「担当している部署の仕事をどれだけ覚えているか」です。

例えばカフェの仕事とゲストハウスの仕事は内容もだいぶ異なるため、それぞれの部署で「社員であればここまでやれるようになってほしい」などの段階に応じて具体的に覚えてほしい仕事をまとめています。

それらの仕事をどこまできちんと遂行できるかを評価し、測るものです。

二つ目の「能力・資質」は、「業務習熟度」よりは抽象的な概念になるのですが、例えば「コミュニケーション能力」や「主体性・積極性」などの項目です。

ここについては以下に詳しく書いていますが、僕はうちの会社だけではなく、今後どういう働き方をするにしても必要になってくる要素だと考えています。

そのため、うちの会社に入ったスタッフは、例えば新卒で入ったとしてもこのあたりの能力を備えてほしいと思っていますし、どこで働いてもやっていけるように会社としても育ててあげられればと思っています。

三つめの「成果」は、最もシンプルですが売上や利益など、数字で表れる部分です。

売上と利益はどの部署でも大切ですが、各部署によってそれ以外のKPI(例えばカフェなら客数や客単価など)も参考指標として挙げるようにしています。

これら三つのパートの中で、若いスタッフは上のほうの項目(業務習熟度のほう)に、よりウェイトを置いて評価することになります。

逆にリーダー職についているスタッフは、下のほうの項目(成果のほう)に、よりウェイトを置いて評価することになります。

評価と給与の関係について

以上のような評価を、年に2回、代表である僕と各部署のリーダーとで行います。
(リーダーに対しては僕が行います)

具体的には、対象のスタッフとその部署のリーダーと僕とで面談を行い、そこで評価のフィードバックをします。

現場で起こっていることを僕が全て見られているわけではないので、より毎日の業務に近い部分は各部署のリーダーが評価をし、僕はそのスタッフのより広範囲の言動やアクションについての評価を行います。

社員がやりたいことや目標に近づけるように

以上のような評価とフィードバックとは別に、スタッフ(社員)には期初に「2年後の目標」と「この半年間で身につけたいこと」を書いてもらっています。

スタッフがやりたいことや目標に近づけるために、会社としてでき得る限りの協力はしたいと思っています。

例えばスタッフが身につけたいこととして希望する業務は、なるべく会社としても用意してあげたいと思いますし、例えば目標が「お店を立ち上げること」なら、(そのスタッフに任せても大丈夫と判断したら)会社として初期投資などは負担してそれを一緒に叶えられるようにしたいと思います。

そうして、なるべくスタッフそれぞれがやりたいことに近づいていける、そのための学びや成長を提供できる場でありたいと考えています。

ここからは、上で書いた評価項目のうちの「能力・資質」の部分で、うちの会社がどういう要素を大事にしているか、具体的にご紹介したいと思います。

「能力・資質」も、A〜Dの4段階のステップに分けています。

  • ステップA:アルバイト、ヘルパーさんを含め、有鄰で働く人は全員に身につけてほしい項目
  • ステップB:社員であれば身につけてほしい項目
  • ステップC:リーダー以上が身につけてほしい項目
  • ステップD:リーダー以上のマネジメントクラスが身につけてほしい項目

求める能力と資質 ステップA

社員だけでなくアルバイト、ヘルパーさんを含め、全員に意識してほしい項目。

  • ほうれんそう(報告・連絡・相談)
  • 気配り
  • 責任感

A-1.ほうれんそう(報告・連絡・相談)

報告と連絡と相談は、基本的なことですがとても大事です。

基本的なところでは1分でも遅刻しそうと分かったらスタッフに連絡する。
何か新しいことを始める時も、いきなり始めるのではなく、まずは近い人に相談をしてみる。

報告と連絡と相談がしっかりできる人=仕事ができる人、と言っても過言ではありません。

A-2.気配りとコミュニケーション

うちの会社で働くスタッフは、「気が利く人」になってほしいと思います。

そのために大事なのは、自分がするべき仕事・役割と、周りの人の仕事・役割、さらには気持ちや体調などまでを把握すること。

だから、気配りができるにはまずコミュニケーションをとって、周りの人たちを理解することから始まるんです。

A-3.責任感

アルバイトでも、お金をもらっている以上は責任があります。

まずは与えられた仕事をきっちりとやること。
それができなかったら周りの誰かに迷惑をかける、ということをきちんと考えると、自ずと責任感も生まれてくるものだと思います。
(ちなみにこの責任の大きさは、役職や給与に比例して大きくなります)

求める能力と資質 ステップB

社員は意識してクリアしなければいけない項目です。

B-1.課題発見力

働いている中で、チームの中で改善すべきことは何か、自分の中で改善すべきことは何かを見つけ出し、把握すること。

仕事をよくするには、まず課題を見つけることがその第一歩です。

特に、仕事の妨げになる本質的なネック(課題)を見つけることが大事で、ここができないと仕事自体もよくなりません。

B-2.主体性と積極性

誰かから言われてやるのではなく、自分からアクションを起こせる人になりましょう。
自分から仕事を作れる人になるのが、働くことが楽しくなるポイントです。

これまで自分がしたことがなかったことにも、常に挑戦するように。
そうでないと、成長は止まってしまいます。

B-3.伝える力と聴く力

他の人は、自分が思っている以上に自分のことは分かってくれません。

自分が考えていることを相手が正しく理解できるように伝える、その「伝え方」をいつも考え、工夫しましょう。

また、自分が伝えるだけでなく、人を見て、話を聴いて、理解すること、そして多くの人が話しかけてくれる存在であることも大事なコミュニケーション能力。

両方を満たすためには、普段から社内外問わず雑談を増やすのも大切です。

B-4.プロジェクト管理と実行力

一般的に仕事のベースになる、大事なポイント。

一つのプロジェクトについて、目的を設定し、予算の中でスケジュールを立て、関わる人たちと作業を洗い出し、全体の計画を作成できるように。
それを(周りに報告と相談をしながら)最後までやり遂げることも重要。

その後、反省点を振り返り次に繋げるPDCAを身につけけましょう。

B-5.企画力/創造力(クリエイティビティ)

AIやロボットよりも人間の方が得意な能力の一つが、企画すること、何かを創り出すこと。

まだ世の中にないものをイメージする、自分がやりたいことを考える。

大事なのは、なるべく具体的に、様々な角度から考えること。

そのために必要なのは、普段からどれだけ多くの情報に触れているか、そしてどれだけ自分の頭で考えながら世の中のものに触れているか、です。

求める能力と資質 ステップC

リーダークラスはクリアしなければいけない項目。

C-1.ビジョン

リーダーの大事な仕事の一つが、未来やビジョン、つまりは「こうありたい」という姿を提示して、チームの旗を振ることです。

チームが目指していることをスタッフに分かりやすく伝えて共有し、そのビジョンに向けて強い信念を持ち、揺るがないことが大事。

またそれは、そのリーダー自身がこれまでの人生で何を考えてきたか、どういう世の中がいいと思っているか、という哲学的な話でもあります。

C-2.戦略策定と課題解決力

ビジョンに向けて、中長期的なスパンで戦略を立てることができるのも、リーダーの大事な資質。

大きな戦略があって、その下で日々の課題解決があるという二層構造で、一つ一つの課題についても適切な判断をして解決していく必要があります。

C-3.チームマネジメント

一人でできることは限られているから、チームがあります。
そのチーム全体でできることを最大化するのが、リーダーの仕事。

そのために、まずは自分ではなくチームを最優先する意識をもつこと。
その上で、スタッフがそれぞれどういうステージにあるかを見極めた上で、足りないものを根気強く教えていくことで、やっとチーム力が上がります。

「教えること」自体ではなく、「スタッフがどれだけ成長できたか」を目標にしましょう。

C-4.言語化と一般化

自分が分かっていることや知っていることをスタッフに伝えること、新しいスタッフでも仕事が分かりやすい状態にすることも、リーダーの大切な仕事の一つ。

そのためのポイントが、言語化と一般化。

何も分からない人でも理解してもらえる「伝え方」を工夫することがチーム力の底上げにつながります。

求める能力と資質 ステップD

リーダー以上のマネジメントクラスはクリアしなければいけない項目。

D-1.スタッフ教育への信念と愛情

仕事面だけでなくその人の人生も含め、「人を育てる」ということについて、自分なりの信念をもっていること。

その信念が揺るぎないものでないと、教える・育てるということは自分がしんどくなってきてしまいます。

また、自分の感情や労力を二の次にして、「相手のためにどれだけのことを考えられるか、どれだけできるか」を優先できる愛情も必要。

直に接するスタッフが多ければ多いほど、その愛情の大きさと深さが問われていくことになります。

D-2.仕事に関する哲学

ただ仕事をするだけ、ただ目標を達成するだけではなく、その仕事や事業を通じて「どれだけ世の中のためになるか」「どんな世の中にしていきたいか」というビジョンをもっていること。

それに加え、働き方や仕事への取り組み方など、自分の言葉でスタッフに伝えられる自分なりの信念(哲学)がある人が、誰かを率い、導いて
いくことができる人だと思います。

D-3.世の中と人間への洞察力

世の中で起こっていることに対して、「どうしてこうなるのだろう?」という興味を常に持ち続けられる人は、それだけ成長します。

その世の中への「どうして?」という関心は、人間はどういう生き物なのか、というテーマにも必ず結びつきます。

そうして、世の中がこれまでどう変遷してきてこれからどうなっていくのか、その中で人間はどうなっていくのか、という中に、すべての仕事や事業というのは位置づけられるものです。

だからこそ、世の中と人間を知るというのは、それだけ事業がうまくいく確率を高めるものであり、何と言っても仕事が楽しくなるための大きな手段でもあります。